第4話 飼い猫の形見
僕が中学生だったから、30年以上前のこと。先生が、突然、授業中に話し出した。 飼い猫が死んで、あまりに悲しく、あまりに離れがたかったから、愛猫の毛皮を、小さく切り抜いて、肌身離さず持ち歩いているのです。 見せてくれたそれ...
僕が中学生だったから、30年以上前のこと。先生が、突然、授業中に話し出した。 飼い猫が死んで、あまりに悲しく、あまりに離れがたかったから、愛猫の毛皮を、小さく切り抜いて、肌身離さず持ち歩いているのです。 見せてくれたそれ...
不思議なことに、蝶々が、家の中に迷い込んでくると、きまって、親せきの訃報が入ってくるのだ。だから、私は、蝶々が、家の中に入ってくると、あわてて、外へと追い出す。 こんなこともあった。お葬式の間中、蝶々が、遺族のそばをまと...