今でこそ、人間とゴリラの違いは明白に思われているけど、昔は、そんなに人間とゴリラの違いはあったんだろうか、と考える。例えば、人がまだ未開の地で、集落に分かれて暮らしていた頃、草原でゴリラに遭遇したら、同じ人間の違う部族のように感じたのではないだろうか。今で言うところの、とても毛深い外国人みたいな感じで。ようするに、人間とゴリラは似ている。あの大人しい感じ、人間味を感じさせる。これがチンパンジーだと違う。彼らは騒がしすぎる。
だから、ゴリラが、動物園で檻に入れられているのを見ると、まるで、人間が檻に入れられているような感覚になる。変な、切ない、複雑な気持ち。そして、動物園の存在意義を考える。動物園は、人が、動物界の頂点にいることを、誇示するための施設なのではないか?「人間が動物を支配している感」が出てるのだ。檻とは、悪いことをすると入れられるものだ。でも彼らは、罪を犯したわけではない。人間の都合で、入れられている。(本来の経緯はわからないけど)。それで、僕は、自分は人なのだと、初心に帰る。
僕は、ゴリラが好きだ。でかいってすごいと思う。それに、知性を感じる。動物園に行ったら、絶対にゴリラを見に行く。ただゴリラってだけで、不思議な気分になる。
(令和2年・神奈川県)