私は、小学3,4年生から小学校いっぱい、釣りが好きでした。仲の良い近所の友達と、二人で釣りをするようになりまして、入間川、多摩川、この二つをメインにちょこちょこ、月に何度か川釣りに行くようになりました。そうしてる内に、釣った魚を持って帰って、飼うようになり、鑑賞するという趣味に至ります。釣りそのものと、釣った魚を持って帰って泳がせるという、二つの楽しみがありました。
川魚は、熱帯魚ほどきらびやかでもきれいでもありませんが、季節や時期によって色づく、その変化を楽しむのが好きでした。特に、オイカワのオスは、恋する季節になると、とても美しく色づくのです。親からは、お魚図鑑を買ってもらって、魚の名前を覚えたりして、幼いころの楽しい思い出ですね。
魚の釣りやすい時間帯というのがあります。それは、魚にとってのお食事タイム。日に2回、早朝と夕方です。私たちは始発に乗って川へ行き、空が薄っすらと明けてきた頃合いから釣りを始めます。1回目は、6時から8時ごろ。次は、夕方5時から6時ごろ、夕食タイムですね。その間も、あまり釣れないなあ、と言いながら、糸は垂らしています。丸一日だらだらと、ひたすら気長に待つのです。釣れなくても、ドキドキしながら待っていられる人が、釣りができる人ですね。これは、性格もあるかもしれませんが、釣れた時の嬉しさ、楽しさを味わった人でないとわからないかな。魚がぱくっと食いついた瞬間の手に伝わるぶるぶる感は、子供にはたまらなく楽しかった。そして、釣ったものを泳がせて、自分で世話をすることが楽しかった。まめにやってましたね。
(昭和50年代・埼玉県)