第109話 猫を捕まえた顛末

 仕事先のお家の庭に、隣の空き家から野良猫の親子が4匹、日向ぼっこをしに来る。見ているとすごく可愛くて、動画を撮って、次男に見せたの。そしたらそれを見た次男が、その猫が欲しい、お母さん、捕まえてきてくれない、って。でも、私は猫を抱っこしたこともないし、どうやって捕まえればいいのだろう、って思って、ネットで探してみたら、段ボールの中にエサを置いて、中に入ったところを捕まえればよい、と書いてあった。

それで、エサを買って、段ボール箱も用意して、その庭にそれをセットして、脇にはエサを少しバラまいて、お家の2階に上がって、窓から見たら、もう、ニャンコが来ていた。少し大きくなったから、ミルクじゃ足りなくて、お腹が空いていたのかもしれない。2匹は、段ボールの上に上がって、1匹、活発な子が、シャッと箱の中に入った。

その時、私は上から動画を撮っていて、「あ、どうしよう!」と声を上げた時には、体が動いていて、2階からダーッと下りて、ニャンコが入った箱にガムテープをしていた。悪いことをしたような気分で、まるで誘拐をしたような感じで。手汗がすごかった。すごく暑い日だったので、車の中に入れておいたら死んじゃうと思って、お家の玄関先に置かしてもらって。お母さん猫がニャーニャーと探していたのは、自分も子供がいるし、心が痛かった。その後、近所の人に聞いたら、お母さん猫と子猫は、保護団体に保護されたみたい。

 今、子猫は、次男の家で元気にしている。すごく可愛い美男子で、撮った写真を、カバンにプリントしたり、猫の種類も勉強したり、孫みたいな感じ。

(令和2年・埼玉県)

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