「日本の動物の絵は本当に豊かだ。(中略)どこまでも愉快な作品もあれば、小さな命にしみじみと心を寄せる作品もあるし、」(音ゆみ子)
「江戸時代までの動物の絵を生んだものの根幹にあるのは、人々の動物への愛だろう。それは、人と同じ命を持つ者への愛という、仏の国の教えに根ざしたものである」(金子信久)
ーまえがきよりー
府中市美術館の「動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり」展に行きました。
人はどうして動物の絵を描くのだろう。まあ「描きたいから」というのが、本当のところかもしれません。今、寝ているうちの猫も、ついつい描きたくなる(撮りたくなる)それって自然なことなのかと。でも、今と昔では(あるいは日本とヨーロッパでは)違った状況があったようで、この展覧会では、色んな視点からどのような思いや工夫で動物が描かれたのか紹介されています。描かれた絵は、その時代や国の「まなざし」でもあるのですね。
美術館でのぞき込んで見て歩いていると、日本の動物画は、ユーモアと可愛さに溢れていて、思わず顔がにやけます。この絵を描いた絵描きさんも、同じ気持ちで動物を見ていたのかなと想像してみたり。それぞれの画家たちの色々な試みも楽しめます。それにしても、徳川家光の動物画が、やっぱり一番にやけますね。
展覧会は、東京・府中市美術館、2021年11月28日まで。
府中市美術館HP → 府中市美術館 (city.fuchu.tokyo.jp)