第78話 サーカスのゾウさん

 サーカス好きなおじいちゃんは、弘前城にサーカスが来ると、いつも私たちを連れて行ってくれました。そこには、トラもライオンもいましたが、記憶に残っているのがゾウさんの曲芸です。

 でも、ゾウさんの曲芸よりもおもしろかったのが、ゾウさんがうんちをし始めた時の出来事です。

  3頭のゾウさんが、並んで玉乗りをしていました。しばらく見ていると、その内の1頭が、玉乗りをしながら、うんちをし始めました。すると、係の人が、一輪車(手押し車)を押して出てきて、そのうんちを、受け取り始めました。と、思ったら、隣りのもう1頭もうんちをし始めて、係の人は慌てて隣りへ向かいます。でも、みるみるうちに一輪車の荷台はいっぱいになってしまって、すぐに、代わりの人が出てきましたが、けれど、なんせ、ゾウさんのうんちはものすごい量でしたので、係の人のそこいらじゅうにびちゃびちゃかかり、それでも係の人は、一輪車を持ってゾウさんを追いかけ回すのです。その様子が、とても面白くて、みんな、大笑いでした。

(昭和40年代・青森県弘前市)

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA