私は、猫アレルギーを持っていますが、実家では、猫を飼っていました。名前は、「ごんべ」で、オッドアイの白猫です。
私の実家は、世田谷にあります。今は、川は暗渠になり、畑の多くはマンションに変わりましたが、私が住んでいた頃は、家のとなりに、小さなキャベツ畑がありました。畑といっても、地主さんの自給用で、ほそぼそとしたものでしたが。それでも、ごんべにとっては、楽しいあそび場だったと思います。
家の2階の窓を少しだけ開けておくと、ごんべは、そこからベランダに抜け出し、塀に飛び降りて、外に出ていきます。そして、地主さんの畑に入りこむと、そこにいる動物たち、ちょうちょやスズメを捕まえようと、飛び跳ねて、かけまわるのです。うまく捕まえると、してやったりという顔をして、獲物を、私たちに見せに来ます。
あれから、だいぶ経ちました。地主さんも亡くなって、キャベツ畑は、マンションになりました。私も結婚して、別の土地で、暮らしています。
(昭和54年~58年ごろ・東京都)