私の故郷の家の周りには、たくさんの畑や田んぼがありました。夏も終わりに近づくと、学校で「3年生は、今日はイナゴとりです!」と発表されます。(その日によって、学年が変わります。)私は、母に作ってもらった手ぬぐいの袋に、イナゴを、ぼんぼこ入れていきます。袋の中は、ワサワサ、ワサワサいっていて、そりゃあ、イナゴがまだ生きてるんだから、当たり前です。「1組の田んぼは、ここ。」「2組の田んぼは、ここ。」と、クラスごとに分かれて、朝から夕方まで、あちこちの田んぼに行きました。とったイナゴは、家に持ち帰って、お母さんに佃煮にしてもらって食べました。ですから、私はいまだに、イナゴの佃煮が好きなのです。最近は、なかなか見かけませんが、見つけた時には、買ってきて、食べるのです。
(昭和30年代・新潟県)