第34話 クワガタのケンカ

その頃は、横浜にも、たくさんの田んぼや雑木林がありました。家も、集落ごとにポツポツある程度です。

小学生のころ、僕たちは、山へ、昆虫をとりに行っていました。当時、クワガタもカブトムシも、本当にたくさんいました。

僕は、カブトムシよりクワガタの方が好きで、なぜなら、友達同士で、クワガタをケンカさせるあそびをしていたからです。カブトムシをケンカさせるのは、なかなか難しいのですが、クワガタは、互いのツノを組ませると、そこでケンカが始まります。僕らは、なるべく大きくてかっこいいやつを捕まえてきて、持ち寄ります。小さいやつなんて、目もくれませんでした。クワガタの片方が、負傷したり、しょぼんとして(そう見えるのです)引き下がると、勝負が決まります。

(昭和30年代ごろ・神奈川県横浜市)

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