僕が10歳だったころ、住んでいた町のとなり駅は、動物の名まえがついていました。当時、友だちの間でうわさが流れていました。「あの駅の近くには、と殺場がある。」
最近になって気にかかり、ネットで検索をしてみましたが、そんな事実は載っていません。でも、自分は、見に行った気がするのです。皮を剥がされた動物が、一頭まるごと吊るされて、何頭も、ある!
駅は、無人駅でした。子どもながらに恐ろしかった。あの辺りには近づくな、といった気配がありました。「いやなものが、あるから」と、いう様な。
大人になった今、と殺場ではなく、別のことが、暗喩としてあったのではないかと、なんとなく思います。
(昭和50~60年代)