小学生の夏休み、父親の社員旅行にくっついて行きました。海の近くの民宿に泊まり、その庭で、バーベキューをしながら、大人たちは昼間からお酒を飲み、子供らは近くの海で遊んでいました。
僕は、海の防波堤の壁で、ちいちゃな蟹を一匹を捕まえました。そして、それをバケツに入れて、父親に見せに行きました。
すると、父親の隣にいた酔っぱらって真っ赤になったおじさんが、「蟹、獲ったのか。ちょっと貸してみろ。」と言って、蟹をつまみ、目の前のバーベキューの網にのせました。おじさんは、蟹を裏返し、醤油を1~2滴たらし、焼きあがると、箸でつまみ、「食べてみろ。」と差し出してきました。僕は、驚きましたが、受け取って食べました。蟹が小さかったためか、味はしませんでした。
(昭和50年代・場所不明)