第105話 森の子・モリコちゃん

モリコちゃんは、だんなの妹からもらったシマリスで、森の子という意味。20歳(当時)の娘が名付けた。

 我が家は、動物好きの家族ではないから、猫や犬も飼ったことがない。大抵、もらったから飼うという感じで、主に面倒を見るのはだんなで、私はものぐさだから、一切やらない。

 モリコちゃんをもらった時、寿命は4~5年って言われていて、ちょうど4年目の冬場、ぐてーっとなっちゃった。死んじゃった?と思ったら、だんなが、モリコちゃんを両手で包んで、温めて、そしたら、30~40分くらいで、息を吹き返した。娘は、お父さんが生き返らせた!と尊敬して、よくやったー!みたいな。(お父さんは、普段、尊敬されていないけど、2~3年に一度、尊敬される。)モリコちゃんは、寒さのために冬眠をしていたんじゃないかな。それから、2~3か月後、またぐてーっとなっちゃって、温めてみたけど生き返らなかった。本当、寿命通りだった。

 うちのだんなは、かまうから、噛まれて血を出したりしていたけど、懲りずにかわいがっていた。モリコちゃん。

(平成10年代・東京都)

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