30年以上前、学童に通っていた。そこでは、数匹の犬を飼っており、今思い返すと、犬たちは、かなりワイルドで、近づくだけで、リードをピーンと張るほどの勢いで、迫ってくる。大声で、吠えながら。結構、怖かった。
犬のエサは、近所の学校の給食の残飯で、みんなでリヤカーを引いてもらいにいく。残飯のにおいは、今でも思い出せる。腐ったにおいではなくて、色んな食べ物が混じったようなにおいだった。もらってきた残飯を、ひしゃくですくって、エサ用の器に入れるのだが、これもまた、犬たちは大興奮で、私は、圧倒された。
激しい犬は、友達の玄関脇にもいた。家の中に入るためには、飛びかかられるギリギリの、二本足で立ちあがった、吠えまくる飼い犬の横を、駆け抜けなければならない。友達の家には、ファミコンがあった。その前の、乗り越えなくてはならない試練であった。
(昭和60年代・埼玉県)