第39話 セミとり・とりもち編

近所の竹やぶからとってきた長い竹の葉っぱを落として、手作りの竹竿を作る。その竹竿の先っぽに、買ってきたとりもちを、べったりつける。それを、裏の山まで持っていって、高い木にとまっているセミを、ひょいとくっつけてとる。とりもちから、セミの翅を、うまいことはがして、大抵の場合、そのまま逃がす。セミを捕まえることが、あそびの目的だから、とったあと、何をするってわけでもないのだ。

(昭和20年代・東京都品川区)

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