第113話 生まれ変わりの、続き

休憩中、事務所でコーヒーを飲んでいたら、Tさんが何かを取りに来た。と思ったら、こちらをパッと見て、「こないだ、猫の生まれ変わりの話をしたじゃないですか。見つかりましたよ。でも、柄が違うんですよね。」と言った。「それは、いつものパトロール中に見つけたんですか?」と聞くと、「八百屋さんからもらってきた。」と言う。どうやら、近所の八百屋さんに猫が出入りしていて、その猫が3匹の子猫を産み、その3匹のそれぞれが、また4匹ずつ子猫を産んだらしい。計12匹いるという。「うちの奥さんが、八百屋さんに行ったとき、『そろそろ子供産んだんじゃないの?』って聞いたら、12匹産んだって。で、その中の、1匹をもらってきた。」

「昨日から、うちにいるんですよ。でも、柄が違うんですよねー。前の子は顔がまん丸だったけど、どうもまん丸そうでもないし。手のひらに乗るくらいの小さな子なんですけどね。本当に生まれ変わりなのかなあ。そう思い込むしか、ないですよねえ。」スマホで画像を見せてくれたので見ると、普通にかわいい子猫だった。「あー、かわいいですねえ。」「まあ、そうですねえ。」柄はキジトラで一緒だが、細かいところが違うらしい。

(令和3年・千葉県)

※第112話「生まれ変わりの」の後日、語られた話です。

その採話はこちら→ 第112話 生まれ変わりの

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