第50話 イワシのこんか漬け
イワシのこんか漬け、というものがある。おふくろが、よく作っていた。春、たくさんのイワシを買ってきて、臓物をきれいに取り、塩漬けにし、そのあと、ぬか漬けにし、発酵させる。 食べ物が少なくなる冬になると、秋に収穫した根菜を(...
イワシのこんか漬け、というものがある。おふくろが、よく作っていた。春、たくさんのイワシを買ってきて、臓物をきれいに取り、塩漬けにし、そのあと、ぬか漬けにし、発酵させる。 食べ物が少なくなる冬になると、秋に収穫した根菜を(...
イワシが獲れる暑い夏の季節、僕がまだ寝ている朝、おふくろは、歩いて20分ほどの港に行って、漁師の手伝いをする。駄賃代わりに魚を分けてもらうと、家に持ち帰って、身を開き、臓物をとって、塩をかけ、畳半分ほどの、蚕をのせるため...
その金魚が、いつからいて、いつまでいたのか、どうしても思い出せません。でも、私は、その金魚に、恐怖を感じていたのは、覚えています。 玄関わきの小さな棚の上に、その水槽は置いてあって、大きく成長した数匹の金魚が、ひらひらと...