第15話 金魚についての恐怖
その金魚が、いつからいて、いつまでいたのか、どうしても思い出せません。でも、私は、その金魚に、恐怖を感じていたのは、覚えています。 玄関わきの小さな棚の上に、その水槽は置いてあって、大きく成長した数匹の金魚が、ひらひらと...
その金魚が、いつからいて、いつまでいたのか、どうしても思い出せません。でも、私は、その金魚に、恐怖を感じていたのは、覚えています。 玄関わきの小さな棚の上に、その水槽は置いてあって、大きく成長した数匹の金魚が、ひらひらと...
ある日、母親が、私が子どもだった頃の写真を見せてくれました。そこには、3才の私とダックスフンド、後ろには外国製のドラム式洗濯機が、写っていました。 私の母親は、ハイカラな人で、新しもの好きでしたから、当時めずらしかったド...
飼い猫のべんちゃんは、鼻の近くに、ほくろの様なぶちがありました。べんちゃんの母親は野良猫で、他の兄弟はすぐにもらわれていったのだけれど、不細工だったべんちゃんはひとり残っていて、私たちは、そのべんちゃんをかわいいと思って...
Nちゃん家はクーラーがある様なお金持ちで、シーズー犬と灰色のでっかい猫を飼っていました。私たちはその猫を、よさたろう、と呼んでいました。Nちゃんは、「やめてー、そんな名まえじゃないよー」と、言ってましたが。 よさたろうは...
僕が中学生だったから、30年以上前のこと。先生が、突然、授業中に話し出した。 飼い猫が死んで、あまりに悲しく、あまりに離れがたかったから、愛猫の毛皮を、小さく切り抜いて、肌身離さず持ち歩いているのです。 見せてくれたそれ...