カテゴリー: 採話
第51話 ペットショップと本屋さん
小学校の卒業アルバムに、将来なりたいものは、ペットショップと本屋さんと、書きました。私にとって、動物も本も、同じように、自然に好きなのです。 高校三年生で進路を決めるとき、うちの猫のかかりつけの獣医さんに、動物病院で働く...
第50話 イワシのこんか漬け
イワシのこんか漬け、というものがある。おふくろが、よく作っていた。春、たくさんのイワシを買ってきて、臓物をきれいに取り、塩漬けにし、そのあと、ぬか漬けにし、発酵させる。 食べ物が少なくなる冬になると、秋に収穫した根菜を(...
第49話 イワシの天日干し
イワシが獲れる暑い夏の季節、僕がまだ寝ている朝、おふくろは、歩いて20分ほどの港に行って、漁師の手伝いをする。駄賃代わりに魚を分けてもらうと、家に持ち帰って、身を開き、臓物をとって、塩をかけ、畳半分ほどの、蚕をのせるため...
第48話 猫のミーちゃん
家の前の駐車場に、大勢のカラスが集まっていたので、不思議に思って見てみると、止めてあった車の下に、子猫がいるのが見えました。水たまりの中に、黒いなにかがむくむくと伸びていて、(それはまるでジブリ映画のワンシーンの様でした...
第47話 ふたりは一緒
ラブラドールレトリバーのカブちゃんと父は、『ふたりは一緒』って感じでした。 ふたりの出会いは、カブちゃんの災難から始まります。黒い犬が欲しい、と、弟の彼女は、ブリーダーに言ったのに、いざ、犬がやってくると、飼わない、と言...
第46話 狸じゃなくて犬だった
札幌のおばから聞いた話です。雨が、ジャージャー降っていた日、車を運転していたら、山の中から、狸が飛び出してきました。車を止めてよく見ると、狸はワンワン吠えています。どうやらそれは、狸じゃなくて、真っ黒に汚れた犬のようです...
第45話 野ウサギ追いし
冬のうっすらと雪が降り積もった小山を、僕らは、一斉に大声を上げて、よじ登っていきます。一方、山の頂上では、網を張った人が待っています。逃げ込んできた野ウサギを、押さえるためです。 これは、中学時代の学校行事の一つです。こ...