カテゴリー: 採話
第60話 その名は、トンカツ
トンカツは、浅草の昔ながらの裏道の、居酒屋の前に、大人しく、小さな声で、ブブブブ…と鼻を鳴らしながら、立っていました。 家族と一緒に、浅草寺をお参りした後、近くの裏道を歩いていたら、ピンクの塊が見えました。なんだあのピン...
第58話 それは予想してなかった
今の家を買うとき、競輪場の近くだったから、治安的にどうかなあと思って、となりの家にピンポンして、この家を検討してるのですが…って、思い切って、聞いてみたのよ。そしたら、出てきたご主人が、全然この辺はうるさくもないし、ただ...
第57話 銀座のしまちゃん
僕が働いている銀座の商業ビルの界隈には、しまちゃんという名の地域ネコが住んでいる。焼肉屋のおねえさんは、しまちゃんをかわいがっていて、開店前の店の中に連れて来て、きらきらの首輪をつけたり、かぶとをかぶせたりしているらしい...
第56話 街に住むネズミ
僕が働いている銀座の商業ビルでは、飲食店のゴミ袋は、物置の中に、その他の店のゴミ袋は、非常階段のうらに大きな四角い布ぶくろをぶら下げて、その中にポンと投げ入れるようになっていた。 そこに、ネズミが、よくでる。地域ネコもい...
第55話 イノシシの箱わな
今まで、このあたりにイノシシが出ることはなかったのだが、ここ数年、イノシシが里に降りてきて、畑や田んぼを荒らすことが増えたため、箱わなを設置するようになった。箱わなの中には、エサとして、小糠が、まいてある。 田んぼのまわ...
第54話 市街地とツバメの巣
通るたびに見ていたツバメの巣が、空っぽになっていた。つい数日前まで、親ツバメが、往復していたのだけど。今年も、色々な場所で、ツバメの巣を見かけた。駅の防犯カメラの上、酒屋の外灯の上、道の駅の建物のひさしの下、商店街のビル...
第53話 いきものを飼うということ
父が、シマリスをつかまえてきました。父の仕事は、木の質を調べることだったので、そこで、見つけたのでしょう。大きなゲージも買って、私は、ものすごくかわいがっていました。触ることは禁止されていたので、家にいる間じゅう、ずーっ...