第44話 タロウの脱走
小学生だった兄が買ってきたニホンイシガメのタロウは、約40年間、両親が経営していた八百屋の前に置かれた桶の中で、たまに脱走し、冬になるとワラをかけてもらって冬眠し、毎日、桶も砂利も洗ってもらって、大事に育てられてきました...
小学生だった兄が買ってきたニホンイシガメのタロウは、約40年間、両親が経営していた八百屋の前に置かれた桶の中で、たまに脱走し、冬になるとワラをかけてもらって冬眠し、毎日、桶も砂利も洗ってもらって、大事に育てられてきました...
僕が10歳だったころ、住んでいた町のとなり駅は、動物の名まえがついていました。当時、友だちの間でうわさが流れていました。「あの駅の近くには、と殺場がある。」 最近になって気にかかり、ネットで検索をしてみましたが、そんな事...
日が暮れるまで遊んで、そろそろ帰ろうかって頃合いに、「そうだ、ドンゴロとって帰ろう。」と、誰かが言い出すことがあって、梨畑でドンゴロを5~6匹ほどつかまえると、それらを、Tシャツにひっかけて、落ちないように気をつけながら...
セミの幼虫が土から出てきて、羽化するために木に登る。僕たちの地域では、この幼虫を、ドンゴロと呼んでいた。夕方、僕たちは集まって、ドンゴロをとりに、梨畑まで遠征する。これは、小学生にとって冒険だった。 勝手に畑に入るのは、...
ヒゴで小さい輪っかを作り、竹竿の先にくくりつける。これを、でっかいクモの巣につっこんで、ぐるぐる回し、綿あめみたいに、クモの糸を巻きつける。それを使って、木にとまっているセミを、ぺたりとくっつけて、とる。クモの糸は、柔ら...
近所の竹やぶからとってきた長い竹の葉っぱを落として、手作りの竹竿を作る。その竹竿の先っぽに、買ってきたとりもちを、べったりつける。それを、裏の山まで持っていって、高い木にとまっているセミを、ひょいとくっつけてとる。とりも...
男の子たちのように、虫を捕まえて遊ぶようなことは、あまりしなかったな。家の中で、ままごとをすることの方が多かったのよ。 そういえば、セミに糸を結んで、片方を自分で持って、うちの中で飛ばしたりはしてたわね。 (昭和30年代...
当時、近所では、農耕用の牛が飼われていて、田んぼや畑を耕したり、荷物を運んだりしていました。道を歩いていると、その農耕牛の糞がそこいらに落ちていて、そのまま、ほっとかれていましたが、そんなのは、慣れっこです。 ある時、黒...