カテゴリー: 採話
第69話 一升びんのヘビ
私の父は、頭にランプをつけ、銛を持って、よく夜釣りに行った。大抵は、魚やカニや海老、貝などを、食べるために獲ってくるのだが、まれに、ヘビを獲りに行くときもあった。つかまえてきたヘビは、火ばさみで、あたまをパチンと挟んで...
第68話 川を泳ぐヘビ
家の庭のすぐわきを、川が流れている。その川を、長いヘビが、泳いでいく。ひと夏に何回も。ヘビは、水を好むのだろうか。川もあり、草木もあるから、この辺りには、ヘビが来る。冬眠も、子育てもする。(最後にヘビが泳ぐのを見たのは...
第66話 タビとナツのおはなし
夏をむかえた公園の林から、ミャーミャーと鳴き声が聞こえます。子猫が生まれたようです。三匹います。お母さん猫は、子猫たちを、きれいになめて、オッパイをのませます。みんな元気によく飲みます。「さあさ、みんな、もっと安全なと...
第63話 都会の馬の仕事
60年以上も前のおはなしです。 東京品川でも山の手の住宅地です。道路がまだ舗装されていなかった時代です。東京でもまだ多くの家は汲み取り式のトイレでした。その為、各家の汚物(尿便は)、桶に汲みとられて、その桶は、大きな馬が...
第62話 こーちゃんと私とだんな
「カメはなつきません。なれるだけです。」って言うけど、こーちゃんとは、以心伝心、気持ちが通じているんじゃないかと思うのよね。 だんなが直接手でエサをあげるようになってから、水面にパラっとエサを落とすだけじゃ、くいつきが悪...