本28 リスタクシー

「リスタクシー」/ もとやすけいじ / 佼成出版社 / 2022年
花 / アナベル

府中市美術館に併設している「府中乃森珈琲店」は、可愛いし美味しいのでよく訪れています。美術展の内容に着想を得た斬新な期間限定メニューも提供していて、攻めてるな~と、毎回、感心することしきりです。

府中乃森珈琲店 | 府中市にある府中市美術館併設の喫茶室 (fuchunomoricoffee.com)

この日も、ふらっと行ってみたところ、カフェ店内で「リスタクシー」の原画展が行われていましたよ。私はこの絵本のことは知りませんでしたが、各地の書店さんが作ったポップや創作物も一緒に展示されていて、愛されてるなあと感じました。

原画は丁寧に繊細に描きこまれていて、印刷では表現しきれない作家さんの思いが伝わってきました。カフェ内の壁に飾られているので、お客さんの入り具合によっては、見に行けない(お客さんの座席の前に入っていかないといけない)のが残念だったなあ。

府中乃森珈琲店 ランチョンマット(一部分をアップして撮影)

メニューを注文すると、上の画像にある紙のランチョンマットがもらえます。でももったいなくて、みなさんその場では使用せず、持ち帰っている人が多いようでした。私も同じく折らないよう気を付けて持って帰りました。

リスタクシー原画展 DM 

ご興味のある人はよかったらぜひ。

カフェメニューはどれも美味しくて、後悔しないと思いますよ~!!

絵本「リスタクシー」さんの公開動画(YouTube)です↓↓

https://youtu.be/lvk5nWln0eI

追記

このブログは、採話からスタートしました。現在は、動物に関する本や雑貨、場所などを主に紹介しています。また少しずつ、採話も再開したいと考えています。タイトルとはずれてしまっていますが、気長にお付き合い頂けましたら有難く存じます。今後ともよろしくお願い致します。

採話をご覧になる場合は、カテゴリーの「採話」をクリックしてください。

89 テルエル陶器(スペイン)

テルエル陶器(小皿)

駅ビルの3階にある小さなブックショップで開かれる小さな蚤の市。いつも楽しみにしています。

実は先日、「みうらじゅんFES マイブームの全貌展」を観に行ったばかり。みうらさんがマイブームで集めに集めたが「いやげもの」が、展示室いっぱいに詰め込まれ、カオスなエネルギー(情熱)を発散していました。すごかった。

蚤の市もみうらじゅんFESも、どちらも同じように古くて懐かしいものたちではあるはずなのに、受ける印象がこんなにも違う…

人は選ぶとき何を基準としているのでしょう… 「物」とは「センス」とは… 

考えさせられる体験でした。

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今回の小皿も、ブックショップの蚤の市で買ったもの。裏にはSPAINと印されており、調べてみるとテルエル陶器のようです。スペインの内陸部にあるテルエル市は、世界遺産がいくつもある小さな町。そこで古くから作られてきたテルエル陶器。大らかさとユーモアを感じます。異国の街角で売られていたであろうこの小皿は、我が家ではしょうゆ皿として活躍してもらう予定です。

共9 御岳山 大口真神式年祭

御朱印

御岳山・武蔵御嶽神社の境内に鎮座する「大口真神社」の式年祭が行われるとの情報を聞きつけ、朗らかな陽気の四月某日に参拝に行ってきました。

「大口真神式年祭」が行われるのは12年に一度。今回を逃したら12年後です。すごく混むとの噂を聞いて、期日早目の平日に決行しました。今年の式年祭は、4月15日(土)~5月21日(日)までだそうです。

JR青梅線 座席シートも森と動物柄で可愛かったです。

人がぞろぞろいたらどうしよう…とびくびくしていましたが、やはり平日だからか、そこそこな感じでした。少しホッとしました。

前回と同じく、ケーブルカーに乗って山の上の方まで上がり、そこから、神社に向かって登っていきます。新緑も美しく、花々も咲いていて、空気も気持ちいい。良い季節に来ました。

道々に咲く花が、目を楽しませてくれます。
途中、神代ケヤキは今年も青々と葉を茂らせ元気でした。
御嶽講の参拝記念碑。いつの時代だろうか。かなり古いと思われる。
最後の方は、ひたすら階段を上る。結構、バテバテになる。
参道の横にはたくさんの記念碑が並んでいる。

ついに武蔵御嶽神社が見えてきました。やった!
狛オオカミと背景には枝垂桜。今年は例年より早いんだそうです。
今年も無事、参拝できました!
山が連なっている。境内の裏側から撮りました。
表側は関東の街並みが見えます。

さて、この度は、式年祭の期間に開かれている「毎日祭」、これに参加するために来たのです!

式年祭の期間、普段は境内最奥に鎮座する「大口真神社」社殿内に祀られているご神像が「本殿」へお遷(うつ)しされ、なんと間近で拝観することが出来るとのこと!そのためには、毎日祭に参列する必要があります。毎日祭とは、本殿の御扉をお開けする「開扉」に伴う祭典で、毎日、7時・11時・13時・15時に執り行われます。

授与所で申し込み、昇殿料をお支払いして、その時を待ちます。まずは上の施設で待機し、なんと地下通路を通り拝殿へと入ることが出来ました。それだけで、感動!

鳴り響く太鼓の音で、毎日祭は始まりました。体に響いてくるドーンドーンという音色。別次元への入り口が開き、その中へといざなわれていくようです。その後も粛々と祭典は執り行われて行き、ついに、拝観の時が!頭を垂れなければならないので、凝視は出来ません。チラ見です。でも、すごく有難いような気持になります。満足感MAXです。美術館で仏像を見るのとはまた違う感覚。

本殿を外から見たところ。ここに、ご神像が遷されている。
少し高くなっており、見上げる感じになります。
大口真神社を裏から撮ったところ(左側)。いつもはこちらにいらしゃいます。なんで前から撮っていないかと言うと、この狛オオカミが怖すぎるからです。うなって睨みをきかせています。
石碑の下にも小さな花が。

毎日祭に満足した後、宝物殿に立ち寄りました。全国のおいぬ様のお札なども展示されていました。有難い且つどれもデザインとしてすごく素敵!

入り口に置かれているおいぬ様。かわいい。境内内では今昔のおいぬ様を発見することが出来ます。

参道には、食事処が並んでいます。平日だからか閉まっている店も多かったですが、その内の一軒でおそばとこんにゃくの味噌田楽を食べました。美味しかったです。
桜。きれいです。
お土産に買ったおいぬ様のトートバック。お気に入りです。

ゴールデンウイークはとても混むそうですが、比較的落ち着いた頃合いにお出かけしてみるのもいいかもしれません。東京近郊の方は小旅行として楽しめそうです。ただし、山ですので服装や前準備はそれなりに。

令和五年「大口真神式年祭」について (musashimitakejinja.jp) 式年祭の詳細はこちら。

BUSHU MITAKE STORE (stores.jp) あらかじめ毎日祭の予約ができるようです。その他、グッズも。

共8 王子稲荷神社

東京の桜も盛りを過ぎて葉桜になり始めた頃、北区にある王子稲荷神社に行ってきました。

駅を出てすぐに目に入るのが、王子駅のランドマーク「王子サンスクエア」。2022年12月で50周年を迎えたそうです。大勢の人で賑わっていましたよ。まだまだ現役です。

スポーツ!グルメ!ショッピング!最強レジャー施設

このサンスクエアと逆の方向になりますが、徒歩10分程のところに王子稲荷神社があります。

この日は神社正面の神門は閉まっており、少し回り込んで脇の鳥居から入ることが出来ました。

鳥居
鳥居の左手にある狛狐。りりしい。

まずは拝殿をお参り。ぶらぶらしていると、奥にも鳥居があることに気が付きました。

拝殿脇の鳥居。奥にはうっそうとした樹々が。

恐る恐る入っていきます。そこには、お稲荷さんとたくさんの狛狐が鎮座していました。

何となく薄暗くひんやりしているような。ドキドキしながら周りを見渡すと「御石様」の立札が。この石を持ち上げて、思ったより重いと感じれば願いは叶わず、軽ければ願いが叶うとのこと。今の私はこの石さえ怖いのですが、一応、持ち上げてみました。重いようなそうでもないような… 。社の横には上へと続く階段がありましたが、もう無理、帰ろうと思った時、突然、上から黒い影が音を立てて降ってきました。

なんだ!と思ったら大きなカラスが御石様の立札にとまって、こっちをふてぶてしく睨んでる!思わず恐怖で固まります。まるで鬼太郎の世界…

ビビりすぎて、ピントがぶれている

上方を見上げると、もう一羽、こちらを見下ろして凝視しています。お稲荷様を守っているのだろうか… それとも人間をビビらせて遊んでいるのだろうか… 。どちらにしろ威嚇されている。急いで、立ち去ります。

二種類の絵馬(狐火/鬼女)

心を落ち着けて、社務所にあるお守りや絵馬などを拝見する。

左は、歌川広重の「名所江戸百景」の一つ。樹の下にたくさんの狐。「関東諸方の狐が大晦日に集まり王子稲荷神社に参拝し、明年の豊凶を占うの故事からくるもの」とのこと。

右は、江戸時代に奉納された柴田是真作「額面著色鬼女図」模写。女に化けた茨城童子が切り落とされた腕を取り返した場面らしい。

カラスといい絵馬といい、この神社が異世界との入り口の様に思えてきます。境内には大きな木が。もしや、この木の下に関東中の狐が集まって…と想像しましたが、この木ではないそうです。

境内にある大きな木

狐の方の絵馬を購入しました。願い事が叶いますように。

狐の絵馬

神社を出て駅の方へ戻っていく途中に、「和菓子 狸家」さんに立ち寄り、評判のタヌキ最中を買う。

白あんと粒あん入り

満開は過ぎてしまいましたが、桜の名所・飛鳥山へ行ってみる。桜の名残を眺めながら狸最中を食する。さすが江戸からの名所。風流でした。

本27 クマにあったらどうするか

「クマにあったらどうするか アイヌ民族最後の狩人 姉崎等」/ 語り手・姉崎等 / 聴き手・片山龍峯 / ちくま文庫 / 2014年

クマに抱いている最大の関心ごとは「ばったり遭ってしまったら、どうしたらいいのか」ではないかと思うのです。もし出会ってしまったら最後、死を覚悟しなければならない存在って、なかなか無いですから。

《聞き手》片山龍峰さんは《アイヌ民族最後の熊打ち》姉崎等さんに、その疑問を正面からぶつけていきます。クマの生態について、クマやその他の獲物が住む山について、アイヌ民族とクマの関係、人間とクマの共生について、対話はループし続け、あれよあれよという間に私はクマと山の世界へと飲み込まれていきました。

クマに遭うというのは、どういう状況で起こるのか? 私は《たまたま出くわす》と考えていたのですが、そこにもちゃんとした理由があるらしい。姉崎さんは「本来、クマは人を怖れていて、人を襲うような動物ではない。クマは人を上手に避けて行動している」と述べています。それが、人間側のルール違反で(知らないがゆえに)近寄りすぎてしまうことがある。するとクマは、自分が襲われたと感じて、攻撃してくるのだと。

自分はなんて人間目線で一方的だったのか。クマ側が人間をどう見ているか(実はこちらをよく観察している!)考えたこともなかった。そりゃそうだ。里山の動物たちにしてみれば、そこいら中をうろうろしている人間たちとどう付き合うか、意識していない訳なかった!

じゃあ、人間とクマが共存していくにはどうすればいいのだろう。 著者は「なんか嫌だな」「ちょっと怖いな」と互いに感じ合うことが実は、共存のあり方を示しているのではないかと書いています。野生のクマは人間の友人とみなすべきではないと、動物行動学者・ヘレロ博士も述べているように、野生の動物の生態を知り、互いに近寄りすぎない関係を作ることが大切なのかもしれません。これは私にとって新しい視点で、目からうろこでした。

害があるという事で、駆除しすぎてしまえば、エゾオオカミのように絶滅が危ぶまれてしまうだろうし、可愛いからといって心が通じるような気持でいるのも人間の勝手な幻想なのでしょう。時として交わることがあったとしても、住み分けて暮らすのが、互いの為である。ルールは守る、距離感を保つ、礼儀を尽くす。怒らせたら怖いんだぞと思わせておく。

この本を読み終わると、なんだかクマが友人の様に思えてきます。友人にはなってはいけないんだけど、友人くらい相手のことを知ったような気がしてきます。姉崎さんは65年間の猟人人生で、多くの知見を残してくれました。研究者という立場ではありませんが、探求者そのものです。そして、それを書籍に残してくれた片山さん。畳みかけるようなしつこい質問は、かゆいところに手が届くようでした。お二人に、ありがとう!

追記

北海道知床は、世界有数のヒグマの生息地。そこでは、クマとの共生のため様々な取り組みがされているそうです。ネットでの情報を読むと、今回の本と共通することが多くあり、ヒグマや野生動物と共に生きるためには、正しい知識と具体的な対策、みんなの協力が大切なんだなと改めて認識しました。駆除するだけではないバランスのとれた対処法は、新しい希望を感じさせてくれます。みんなにもっと知って欲しい!

知床のひぐま|北海道 (shiretoko.or.jp)

ヒグマに対する私たちの考え方と取り組み(ヒグマのこと)|知床財団|世界自然遺産「知床」にある公益財団法人 (shiretoko.or.jp)

88 西光亭のクッキー箱

西光亭のチョコアーモンドクッキー(絵柄/ヒメジオン)

今年も春が来ました。

ついつい心浮き立ってしまいます。今年の桜は例年よりだいぶ早いそうです。ふっくらとした花芽が、ひとつふたつと咲き始めると、あとは怒涛のような花見シーズンが到来します。家の近所のソメイヨシノも年をとりあるいは病気になって倒木の危険から切り倒されることも多くなりました。その後には、若い桜が植え替えられて、初々しい花を咲かせています。

今年も古木の桜が見れたことに感謝しつつ、若い苗木もどうかこの地に根付くことが出来ますように。

本26 身近な虫たちの華麗な生きかた   /こんちゅう稼業

「身近な虫たちの華麗な生きかた」/ 文・稲垣栄洋 / 画・小堀文彦 / ちくま文庫 / 2013年
「改訂版 こんちゅう稼業」 / 秋山あゆ子 / 青林工藝舎 / 2020年

虫が苦手な人たちは多い。一方で、熱狂的な虫好きがいることも確かなことである。何が二つを分けるのか、① かたち ② 何を考えているのかよく分からない ③ 独自の動きをする-、あたりの感覚の差ではないかと思う。そして、その①~③の謎に答えてくれるのが、この本「身近な虫たちの華麗な生きかた」である。虫が苦手な人にとっては相手を理解する一歩になるし、虫好きの初心者にとっては好奇心を満たす良書かもしれない。

虫は機能性に富み、常に遂行する生き物だ、と読後、私はしみじみ納得した。生き残りと子孫繁栄のために自分の機能を最大限に生かして虫たちは日々邁進している。そこに迷いはない(ように見える)。それに比べて私たちは、生きる意味を考えたり、かと思えば生き残りとは真逆の行動を取ったり、虫と全く戦略が違うのである。

その上、虫たちの戦略にすぎないであろう姿や生態に、情緒や美しさを感じるのが人間(特に日本人)である。「こんちゅう稼業」は、昆虫たちの幻想の世界が描かれている。そこでは、虫も人と同じ感情を持ち、昆虫という稼業をせっせとこなしている。人間は恐らく、本当のところ、虫の心情を知ることが出来ないから、人の心を虫に照らしこの様な不思議な文学作品も生まれるのだろう。

共7 南極・北極科学館

南極・北極科学館(手前)/ 国立極地研究所(後ろ)/東京都立川市

本日訪れたのは「南極・北極科学館」です! 入館料が無料なので、たまにフラッと見に行ったりしています。

決して広くはない施設ですが、生物から岩石、オーロラ、南極探検の歴史や昭和基地内での暮らしについてまで、じっくり見て回るには丁度いい広さと内容だなあと思います。

この施設で工夫していることは、二つ。「実物展示」と「映像展示」です(ホームページより)。岩石や隕石、標本も実物ですし、観測に使用したものも実物。ごっつい南極点到達雪上車もありました。

南極点到達雪上車(KD604,KD605)/ 製造年 1967年

映像展示では、昭和基地のライブ映像を見ることができたり、ドームシアターで実際に研究用に撮影したオーロラを眺めたりも出来ます。

さてさて、このブログは「どうぶつと人」ですので、ここからは、南極観測において活躍した動物たちをご紹介します。やはり、一番はカラフト犬ですよね! この施設でも、大切なメンバーとして紹介されていましたよ。

南極大陸で活躍したカラフト犬 のブロンズ像

元々は東京タワーの入り口にモニュメントとして設置されていたのですが、整備事業により撤去されることとなったため、カラフト犬と繋がりのあるこの場所に移設されました。南極観測に貢献した象徴のような存在ですよね。私も昔、東京タワーで見たことがあったのを思い出し、感慨深いものがありました。

南極探検隊とカラフト犬の写真

時はさかのぼり、南極点に初めて到達したのはノルウェーの探検家ロアール・アムンセンですが、同時期に、日本の白瀬南極探検隊も、28頭が引く犬ぞり2台で南極点を目指していました。1912年/明治45年のことです。

残念ながら、南極点には到達できませんでしたが、到達した地に「大和雪原」と名付け、悔しくも帰国の途に就きました。しかし、この英断により隊員全員を無事に帰還させたことは、国際的にも高く評価されたようです(全滅した隊もあったのです)。詳しくは↓こちら。

白瀬南極探検隊記念館 / 白瀬南極探検について (shirase-kinenkan.jp)

それから歳月がたち、日本人が初めて南極点に到達したのは、56年後の1968年(昭和43年)になります。その時、使われたのが先ほどの大型雪上車KD60。村山雅美隊長が率いる第9次越冬隊が成し遂げました。やった!

そして次の動物は……、

観測隊の下にいるのは、ネコでは…!
南極越冬ネコ「たけし」/ 萩原弘子(morin工房)作

そうです、ネコです! 南極に行った動物と言えば「犬」が思い浮かぶと思いますが、第1次・第2次南極観測(1956年・19657年)には、ネコの「たけし」も連れて行っています。

以下のページに詳しく載っていますよ。可愛いのでぜひ見てもらいたい!(ネコ写真多数あり)

南極へ行った猫 たけし -国立極地研究所 アーカイブ室 (nipr.ac.jp)

ネコのたけしは、『三毛の雄は珍しくて縁起がいい』という事で、航海の安全を願って乗せられました。カラフト犬の様に犬ぞりを引いたりはしませんが、ペットとして、隊員たちに大きな癒しを与えていたようです(ネコの本領発揮ですね)。そして、たけしは無事、日本に戻って来て、隊員の家族として引き取られました。

ネコにも犬にも感謝です! 本当に、いつも人は助けられています。

紹介しきれませんでしたが、この地で生きる生物たちも展示紹介されています。環境問題の解決に向けて、大切な役割を果たしている南極・北極の観測。関心を持って応援していきたいです。

シロクマ/ 見上げるくらいの大きさ!

※ 展示内容は、2023年2月現在のものです。展示・web内容等が変更になることがありますので、ご注意ください。

国立極地研究所 南極・北極科学館 (nipr.ac.jp)

本25 森へ

「森へ」/ 文・写真 星野道夫 / 1993年発行/ 1996年たくさんのふしぎ傑作集

星野道夫さんの写真や文章は、とても静かな空気を持っている。きっと、耳を澄まして自然の音を聴き、あたかも動物たちと同じ目を持って眺めているからではないか、そんな気がしました。

この絵本も、初めから最後に至るまで、森の音が聞こえてくるようです。そこには苔むした木々があり、クマたちが歩き、サケは川を埋め尽くし、かつて住んでいた人々の物語の痕跡《トーテムポール》がありました。

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ここは人の住む場所とは、遠く離れた世界です。

(本書より)

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星野道夫さんはいつでも、遠い場所へと連れて行ってくれる人です。日本の片隅で今この本を私はめくりながら、頭の中の想像の世界では静かな森の中を歩いているようです。

この本が出版されたのは約30年ほど前になります。それから、私たちは何をしてきただろう。この物語の舞台である南アラスカの原生林は、現在もあの時と同じ姿でいるだろうか。

森へ|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)