本24 せかい いち おおきな うち

「せかい いち おおきな うち」/ 著 レオ=レオニ / 訳 谷川俊太郎 / 好学社 / 1975年5刷

この本の副題は、「りこうになった かたつむりの はなし」。

「せかいいち おおきなうちが ほしいな」と言ったちびかたつむりに、お父さんが話してきかせます。以下、要約。

むかし、同じようなちびかたつむりがいて、世界一大きな家が欲しいなあと思っていました。そこで、色々と工夫をして、ついに方法を見つけます。ちびかたつむりのおうち(殻)はどんどん大きくなって、角も生えて、カラフルな色も付いて、みんなの話題をさらいます。しかし…

この話を聞いたちびかたつむりは、目にいっぱい涙をためて、…でも悟ります。「ちいさく しとこう。」

レオレオニの原作を翻訳したのは、あの谷川俊太郎さん。さすがに、文章にエッジがきいています。読んでいて、小気味がいい。ある意味、淋しい話なんだけれど、ユーモアがあってカラッともしています。

大きなお家がいいか、小さなお家がいいか、読んだ人次第かもしれませんね。

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好学社HP ⇒ せかい いち おおきな うち (kogakusha.com)

87 めでたきびだんご

山方永寿堂/ 福助折り紙付めでたきびだんご

あけましておめでとうございます

昨年は、お読みいただきありがとうございました。

岡山名物 きびだんご(お正月版)

昨年も本当に色々なことがありました。皆様はどの様にお過ごしだったでしょうか。

私は今までなら尻込みしていたようなことにもチャレンジしてみた一年でした。その結果、ここまでなら案外大丈夫、だけどここからはやっぱり無理っぽいなぁと自分を知るきっかけになりました。

2023年 うさぎ年 始まりました!

今年も皆様にとって健やかで素晴らしい一年になりますように。

本年もよろしくお願いいたします

共6 調神社(つきじんじゃ) 

来年はうさぎ年。一足早く、狛うさぎで有名な「調神社(愛称 つきのみやじんじゃ)」を参拝しました。

サッカーの街、浦和駅に降り立つと、サッカー推しのイルミネーションが出迎えてくれました!そこから歩いて15分くらい、交通量が多い道路沿い(旧中山道)に調神社がありました。

下の写真は調神社の入り口です。なんとなく不思議な抜け感が!そうです。調神社の入り口には鳥居がないのです。一説によると、伊勢神宮に納める調物(貢物)の初穂を納めた倉庫群の中に鎮座していたことから、貢物の搬入の邪魔になるため鳥居がないらしいのです。

確かに鳥居が見当たらない。でも、両脇には狛うさぎが!
狛うさぎ
狛うさぎ

「調」が「月」と同じ読みから、月待信仰に結びつき、狛犬の代わりに月の使いであるうさぎが置かれるようになったとのこと。調神社には、狛うさぎだけでなく、他にもたくさんのうさぎが見つけられますよ!

早速、手水舎にもうさぎが。口からチョロチョロ水が流れています。けっこう大きい。カウンターに肘をついて何か話している人(うさぎ)の様にも見えてきます。

兎の手水舎。ねえねえって話しかけてきそうな。

写真を撮っていると、後ろで順番を待っている人がいるのに気づきました。周りを見渡すと、他にも写真を撮っている人たちがたくさんいます。撮影スポットとしても人気なようです。

拝殿。趣があります。周りに沢山の提灯が吊るされているのが印象的(時期によるのかな?)。
先代の狛うさぎ(江戸時代・1861年奉納したもの)。今とは表情が違っているのが歴史を感じておもしろい。
境内の奥にある神池にもうさぎの石像が。口から水が注がれています。
授与所。御朱印を頂きました。
授与所の横の壁には、月を眺めているあまびえがいました。コロナが収まりますように。
おみくじを引きました。末吉でした。
絵馬もうさぎ。
空を見上げると、飛行機雲が。来年はツキが巡ってきますように。
(… せめて、悪いことがありませんように)。

お参りをした後は、浦和駅西口近くにある「茶房 コマ」でひとやすみ。期待を裏切らない古き良き昭和の喫茶店です。マダムと若マダムがいらっしゃいました。お二人とも穏やかな上品さで癒されます。注文したダークチェリーのクラフティは初めて食べましたが、とても美味しくて静かに興奮しました。手作りだそうです!

茶房 コマ

2023年はうさぎ年。調神社にお参りに行ってみるのもいいかも。どうぞツキがつきますよに。

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調神社のものすごく詳しい情報が載っています ⇒ 調神社 / 埼玉県さいたま市 | 御朱印・神社メモ

共5 府中市郷土の森博物館とたぬきパン

猫イラズ/猫より働く・鼠とり薬(旧島田家住宅・島田薬舗/1886~89年建築)

東京都府中市にある府中市郷土の森博物館に行ってきました。前回訪れた時は休館日だったのでリベンジです。この日は、あいにくの曇りでしたが、見学や遊びに来た中学生や小学生が、じゃれ合いながら駆け回っていました。人も多すぎず、ゆっくり回れました。

園内に入ると、右手側に府中の歴史が学べる本館やプラネタリウムがあります。常設展はかなりの充実度です。じっくり見ていたら、時間が足りないくらいでした。

左手には、旧府中尋常高等小学校。白とピンクで可愛い。

旧府中尋常高等小学校(昭和10年~昭和54年)
1980年代の給食

小学校の中には、いろんな世代の給食や教材、ストーブやオルガンなど展示されていて、きっとどれかは当てはまるはず。私も、これあったなあ、と盛り上がりました。他のお客さんも、かなり盛り上がっていましたよ。楽しい。

教室
机とイス

きっとみんな思うだろう。こんなに机は小さかったっけ?

鶴のはく製

はく製ありましたね。なんのはく製だったかな。

かまど

奥に進むと、復元された昔の町家や農家などが、いくつも立ち並んでいます。ほとんどの建物で室内の見学が可能。当時の道具や看板なども見ることが出来ました。初めて見るようなものも多かったけど、きっと当時の人たちが創意工夫して作った便利な用品なのだろうと思います。年を経て、ますますいい味が出ています。

そうして、見て回っていると、何だかほっとしてきて、古いものって落ち着くな。来て良かったなと思ってきました。

古い建物の中に入ると木材や畳の匂いがしたり、農家の中は少し暗くてひんやりとして、灰の匂いが立ち込めています。かつてここで、人々が生活したり働いていたのが、目に浮かんでくるようでした。

紅葉する雑木林・園内に沢山の自然がある

農家の裏辺りをうろついていたら、何か動くものが。よく見ると、タヌキが木から落ちた柿を食べている!それも体が小さいこだぬきだ。こちらに気付いたこだぬきは、生け垣の奥に身を隠したがそんなに警戒するでもなく、夢中で食べている。感動する。

柿とたぬきパン(あんこ入り)

最寄り駅の京王線/JR南武線の分倍河原駅から歩いて5分、パン屋さん・ノエルで、たぬきパンを購入する。他にも、あひるパンがあった。あこ天然酵母を使用してるそうです。ぎっしりして美味しかったです。イートインもあります。

ノエルさんに行く前に、駅前の雑居ビル3階のマルジナリア書店さんに寄りました。小さなカフェも併設していて、そこでもノエルさんのパンが食べられましたよ。アイスコーヒーを頼んだら、器が可愛いくて嬉しくなりました。 本のセレクトが個性的で読書会などのイベントも開催していて、本好きにはおススメ!です。

府中市郷土の森博物館 ⇒ 府中市郷土の森博物館

ノエルさん ⇒ Noël | パンのお取り寄せ・通販サイト「rebake(リベイク)」

マルジナリア書店 さん⇒ マルジナリア書店byよはく舎 (yorunoyohaku.com)

てくてく府中の記事 ⇒ マルジナリア書店 (tekutekufuchu.com)

本23 地球は食べ物

「地球は食べ物 いきもの獲って食べてみた日記」ホモサピ 著 / 2022年 / KADOKAWA

私たち人間は「いきもの」を食べて生きています。私の場合、その生き物は、スーパーや商店で買ってきたもの。獲ってきて食べることなんてほぼなしです。かつて、シェア畑で育てた野菜を食べていたこともありましたが、それもたった一年のこと。まして、著者のホモサピさんは、畑でもない野生の植物や生き物を獲ってきて自ら調理して食べるんです。その上、その生きものは、通常なかなか食べる機会もないだろう虫やザリガニや木の実なんです。けっこうなインパクトです。本を読んだ後、動画(YouTube)も観てみましたが、正直なところ、途中で脱落しました… 。

ホモサピさんとは、フォロワーが100万人を超える人気のYouTuberで、生き物を捕まえて食べる動画を投稿しています。本に書いてある人生記を読むと、物心ついたころには、毎日外に出て、生き物を夢中で追いかけていたそうです。その後、紆余曲折して、定時制高校に進学。そこで、ありのままの自分でいいのだと気づき、人生が一変したらしい。高校1年の時から投稿を始め、恩師とも出会い下積みして、高校3年より本腰を入れてYouTuberとしての活動を始めます。

ホモサピさんの特徴は、心配性で念入りに下調べをして安全性を確認している(知識がすごい!)半面、好奇心が旺盛で我を忘れて突っ走てしまう矛盾した面を持っていること。でもきっと、冒険家や開拓者はこういう性格なんだろう。だから、生き残れる。そして、他のホモサピエンスに情報を提供してくれてきたのだろう…と思う。

最後に、ホモサピさんが伝えたいことは、「生き物はおもしろい」というメッセージだそうです。

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人間とだけ関わっていると疲れてしまうので、たまには”ただ生きているだけ”の生き物と触れ合ってみて下さい。

(本書・あとがきより)

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ホモサピさんのYouTubeチャンネル ⇒ ホモサピ – YouTube

地球は食べ物 ⇒ 地球は食べ物 いきもの獲って食べてみた日記 | ホモサピ |本 | 通販 | Amazon

86 POLLY The Pig(ポリー ザ ピッグ)

メーカー・WELBY /生産国・インド

これもまたリサイクルショップで発見して、ボックスのイラストが可愛くて手に取った。

「この商品は大人の為の懐かしいコレクションシリーズと称し、子ども向け玩具ではありません。安全上の保障はしかねますので、あらかじめご了承ください。」と書いてある。

余計、興味がわく。けっこうなジャンクではないかと思いつつ、購入。ワクワクして持って帰る。

箱の中には、ブリキのぶたのポリーとゼンマイのネジが入っている。ポリーはイラストとはだいぶ違う見た目だった。かなりのんびりした顔をしている。しかし、そこに愛嬌を感じる。期待通り。

ネジを巻いて、手を離すと、かなりの速足でその場に円を描くようにして走る。耳も同時に揺れる。思ったより、リアリティがあって驚く。

わが家の猫が寄ってきて、奇妙なものを見るような目で見ている。動きが止まると、近寄って匂いをふんふんとかぎ、何か判別したのか顔を擦り付けると、あっちに行ってしまった。

ポリーにはオスとメスがあるらしく、我が家に来たのはメスだった。インドからはるばるやって来てくれて、走って見せてくれた。これからも、気が向いたらゼンマイを巻いて走ってもらおう。ゼンマイを巻くたびに、壊れそうな感触でドキドキするけど。

4 練馬区立 美術の森緑地

たくさんの動物がいると聞いて、練馬区立美術館に隣接するアートスペース「練馬区立 美術の森緑地」に行ってきました。別名「幻想美術動物園」。スペースのあちこちに動物のオブジェがありました。子どもは駆け回り、大人は癒される、人気のスポットの一部を紹介します。

入り口には、看板を持っているクマが!かわいいぞ … 期待が高まります。

入ってすぐに目についたのは、大きな白いゾウ。これだ、テレビで見たやつは … 存在感がすごいよ!よちよち歩きのちびっこが、ダーダーと言いながら、つたない歩きで駆け寄っていきます。

小学生たちが、背中に登ってキャッキャッと遊んでいたライオン。なんとなく寂しそうな表情に見えますが … 。ここのオブジェは、どれも自由に触れるんです。子どもたちは、しがみつくようにして遊んでいる。その気持ちわかります。

イヌ。大人たちも仕事の合間なのか(?)、オブジェに座って休んでいる人多し(寝てる人もいました)。大人も癒される、動物のパワー。

カップルのネコ。オブジェによって作家さんが違います。

ペンギンと後ろにあるのがキノコ。こちらはとってもポップです。子どもがほっぽり出したキックボードが転がっていました。

「動物感覚をととぎすます道」もあります。ぼこぼこして登りにくい。これが動物感覚か … 。

緑地の植栽の中にあるネリマーマ。よく見ると、足が練馬の特産品「練馬大根」です。

緑地を楽しんだ後は、近くにあるカフェ(レイノコーヒー)で休憩しました。アメリカーノ(本日のコーヒー)とバナナケーキです。フルーティーな香りと酸味があるコーヒーでした。美味しかったです!

西武池袋線・中村橋駅を降りると、猫飛(ニャンピー)が出迎えてくれます。緑地は、駅から歩いてすぐの線路沿いにありますよ。

この緑地一帯は、アートで地域を活性化しようというコンセプトで、2015年にリニューアルしたのだそう。大人も子供も、みんな楽しそうにしているのは、アートの力、動物の力なんですね。普通の公園のように滑り台もブランコもないけれど、子どもたちは笑い転げて自由に遊んでいました(そして大人たちはぼんやりと憩ってる)。ある意味、現代のパワースポットです!

3 馬橋稲荷神社

馬橋稲荷神社の狛狐と願かけ狐

東京都杉並区にある馬橋稲荷神社(まばしいなりじんじゃ)に行ってきました! 阿佐ヶ谷駅を降りてディープな雰囲気の商店街(一番街)を抜け、住宅地を進むと、高い木々と大きな鳥居が現れました。学校帰りの小学生が6人、わいわい騒ぎながらも、神社に一礼していきます。地元で大事にされている神社なんだなあと思いながら…

三つの鳥居をくぐり、参道を進みます。

一の鳥居
二の鳥居(龍の鳥居)と 奥にあるのが三の鳥居

迫力のある龍の鳥居です。お稲荷さんなので狐のモチーフが多いのですが、龍のモチーフも各所にありました。

三の鳥居前にある狛狐

稲荷神社だけあって、狛犬ではなく狛狐が出迎えてくれました。

奥に進むと、社殿があります。

社殿
社殿正面に左右一対で置かれている狛狐

狛狐の周りには、小さな白い狐の置物がたくさん置かれています。これが「願かけ狐」か! とテンションが上がります。お参りした後、早速、社務所で願かけ狐を購入。その場で納めるか、持ち帰って神棚に飾るか、どちらでも可能とのこと。メスとオスがあり、神棚に置く場合は一対にするそうです。

社務所の横にある台に行き…
願い事を書きます
書いた紙を入れて
社殿の狛狐の下に納めました!
稲荷社

社殿の隣には、稲荷社と厳島社の祠がありました。少し怖くてドキドキします。

色んな所に狛狐さんがいました
おまけ

一番街の端っこの方にあったお弁当屋さんの看板です。スズメかな。可愛かったので撮影しました。

馬橋稲荷神社ホームページ ⇒ 馬橋稲荷神社 ・目次

神社の名前の由来になった杉並区馬橋の歴史 ⇒ 馬橋稲荷神社・杉並区馬橋の歴史

本22 MANY: The Diversity of Life on Earth

「MANY: The Diversity of Life on Earth」/NICOLA DAVIES 著・EMILY SUTTON 絵 / 2017年・英語版

女の子と一緒に、生物の多様性や結びつきを調べる旅に出よう!

「地球にはどのくらいの生きものがいると思う?」

「たくさんだよ!」

どのページにもカラフルで多様な生きものたちがたくさん!描かれています。

でも、人間の行いで、絶滅を危ぶまれる生きものたちもたくさんいます。

楽しく学ぶことが出来そう!子どもと読みたい可愛くてカラフルな科学絵本です。

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日本語訳も出ていますよ。

「いろいろ いっぱい ちきゅうのさまざまないきもの」日本語版

出版社⇒ ゴブリン書房 (goblin-shobo.co.jp)

絵本サイトでの紹介ページ⇒ 絵本ナビ

85 棟方志功 版画手拭

棟方志功 手拭「松と鷹」/ぎんざ たくみ
「松と鷹」

東京・目黒区駒場にある日本民藝館を訪れた際に購入しました。

職人の手作業で染める注染(ちゅうせん)の手拭とのこと。日本製・綿100%で、なんだか懐かしい良い香りがします。そして、涼し気ですよね。素晴らしいデザインと丁寧な手仕事に感嘆します。

日本民藝館に行くのは初めてでしたが、何度でも訪れたくなる魅力的な場所でした。建物も展示されている民藝品たちも、主張するわけでもなく静かに存在していて、美術館のアート作品とはまた別の用途があるものの美(用の美)とはこの様なものなのか…と思ったりしました。

古くからの日本の民藝品(世界の民藝品)を中心に展示されていましたが、もちろん、民藝は今も続いており、各地に素晴らしい作品が生み出されています。そのいくつかを、ミュージアムショップで購入することもできます。私はそこで手拭を買ったのですが、欲しくなるようなものがたくさんありました!

訪れた日は風が強く木や建具が揺れる音が聞こえ、古い木材の匂い、少し暑い室内、緩やかな照明の中を巡り、窓の外には雨水がたまっている大きな水瓶、室内には誰かが何かを込めて作った衣服、陶器、木工品など、眺めていると、人類の経てきた過去が今と繋がって、生々しく感じられるような実感がありました。人は、物を作り続けてきたのですね。

日本民藝館 ⇒ 日本民藝館 (mingeikan.or.jp)

ぎんざ たくみ ⇒ 銀座たくみ (ginza-takumi.co.jp)

全国の民藝館 ⇒ 全国の民藝館 | 日本民藝協会 (nihon-mingeikyoukai.jp)