68 日光山の眠り猫

眠り猫の貯金箱(日光山)/年代不詳

古道具屋にて、がらくた箱の中から発掘。常連らしきおじさんに、明治の薬壺をすすめられつつも、こちらを購入。切れ長の目、つるっとした顔、作りはけっこう素っ気なく、猫のぶち柄も足元の牡丹も、スプレーが吹きかけられてるだけですが、でも、この猫には、それが合っている感じがします。多少のことでは、物怖じしなそうです。

どうぶつの本2「羊と自分が同じ直線上にいる」

「羊と自分が同じ直線上にいる」/2021年
ナリワイの伊藤洋志が企画する「モンゴル武者修行」参加者有志による公式ZINE

 「モンゴル武者修行」参加者によって制作されたZINEです。旅の体験や後日談が描かれています。同じ旅をしていても、見方も、広がっていく世界も、人それぞれ。おのおのの日常におのおのの形で影響をもたらしている。それもけっこう深く。

例えば、昼食でホーショール(※)を食べている場面にて。「さっきまで嗅いでいた草原の香りが鼻に抜ける。(中略)うまいうまいと食べながらも、モンゴルの大地・草・羊、そして自分が同じ直線上にいることを強烈に実感する。」(石戸諒さんのエッセイより) 私も食べてみたいよ、モンゴルで、ホーショール! ※でかい揚げ餃子のようなものでタネは羊のミンチ。

表紙の絵は、上から順に、ラクダ・牛・(モンゴル犬)・羊・馬・山羊・トナカイ・ヤクで、モンゴルの遊牧民が牧畜に利用している五畜+その他の家畜。コラムと図解を読むと、その理にかなった家畜との暮らしに、学ぶこと多く、感心して、ワクワクします。(伊藤洋志さんの図解とコラム①より)

伊藤さんの企画や活動は、どれも興味深い上に楽しそうで、参加してみたいな、と想像します。モンゴルで馬に乗れるなんて、最高。

<参考サイト>

モンゴル武者修行について →こちら (詳しい解説が書かれてます)

伊藤洋志さん「ナリワイ」→こちら(Twitter)

67 牛の土鈴

土鈴(牛と童子)/毅孑孑 作

ころんとした牛に、童子が乗っている土鈴です。牛は彩色してあるのになぜ童子は素焼きのままなのか、不思議です。米俵を背負って、天から神様の使いが降りてきたよう。縁起ものです。目を見開いた(鼻も開いた)牛の表情に、グッときます。

牛はゆるいのに、童子はリアル。

第112話 生まれ変わりの

 3歳の飼い猫が、一年ほど前に病気で死んでしまった。お腹に水が溜まってしまう病気で、コロナで配られた給付金(二人分)をつぎ込んで治療したけれど、結局、助からなかった。

 奥さんが法事で実家に帰った時に拾ってきた猫だった。顔がまん丸くて、靴下をはいていた。夜は一緒の布団で眠る。朝になると高い所に登って、そこにあるもの手あたり次第、落として起こそうとする。座っているとひざに乗ってくる。抱っこすると全身の力を抜いて、まるで砂袋や水袋の様に、ぐたーっと体をあずけてくる。それがすごく可愛かった。

 休みの日には自転車に乗って、写真撮影がてら、あちこちふらふら行って、あの子の生まれ変わりの猫を探している。暇だから、時間はあるんですよ。でも、最近は、子猫自体を見ないね。自治体で(対策を)やってるからかね。(今まで、たくさんの猫を飼ってきた中で、生まれ変わりだと思えるような猫に出会ったような体験はあるんですか?)そういうことは、今までないんですよ。(スマホの画像を見せてくれた。顔がまん丸で、緑色の大きな目をした可愛い猫だった。)

(令和3年・千葉県)

※話者と同僚の会話を、話者から伝え聞いたものです。同僚の方からは、掲載の許可を頂いています。

66 酉年の土鈴

土鈴(童子とにわとり)/年代不詳

干支の土鈴(酉年)だと思いますが、童子が鶏を抱えているという姿が、可愛い。背丈は7センチ程、ほっぺたがふっくらして、目は小さく据わってる。まるで、小さな座敷童のようにも見えます。無表情ですけど、きれいな顔をしています。

64 糸通し機 ヒヤール

糸通し機「ヒヤール」/名古屋生まれ

どうやら、昭和40年代ごろの発明品らしいのですが、古道具屋で見つけた時にはすでに使える状態ではなく、飾りだねぇ、とのこと。機能性と見た目の可愛さの両立が、昭和らしいなあと感じます。少し触るだけでも壊れそうな危なっかしさで、やはり眺めて楽しむだけですが、何か役割があって使われていたと考えると、ただの置物とはちょっと違う、感心するという感覚です。

ネットの記事によると、頭あるいはしっぽの穴に針を刺しこみ、羽を押すと、糸が通るそうです。ちょっと試してみましたが、仕組みが分かりませんでした…。背中は針山になっています。針に糸を通すだけのために、この可愛さを作るとは、すごいです。

どうぶつの本 1 「はたらく動物と」

「はたらく動物と」文と絵/金井真紀(ころから)

いいなあ、こんな風に色んな人の話を聴きに行けたら、楽しいだろうなあ、と思いながら読んだ一冊です。そう思ったのは、この作者さんが、興味に対して正直に、自然に動いているように見えるからだろうなあと思います。だからかな、登場する人々も動物たちも、その姿はのびのびとして、今の時代の希望のような気持ちになります。異なった種が、互いに支えあっていけたら。でもそもそも、自然ってそういう仕組みでできている。ありがとう、生き物たち!(だけでなく、全て!)

 金井真紀さんのHP → うずまき堂マガジン

○過去の記事で、働く動物について書いた採話があります。「人と動物が共に働くとは」を、考えるきっかけになりました。自然や動物にたいするリスペクトを感じます。

 第88話  「蜂と人」こちら

 第100話  「半分はわたしに、半分はあなたに」こちら

 取材でお世話になった深大寺養蜂園さんのTwitter → こちら

 

63 辰の土人形

土人形(辰)/年代不詳

画像では分かりにくいかもしれませんが、顔のところがツルツルと光っていて、まるで、神社の牛の像が撫でられて光っているのと同じよう。きっと、もとの持ち主が撫でていたに違いないと想像するのです。ゆるくて素朴なのに、存在感のある不思議な土人形。土人形にはまるきっかけになった逸品です。

龍神は、地球を守ってくれるそうです。

62 Villeroy&Bochのお皿

洋食器(魚と波の絵柄)とプレッチェル

Villeroy&Bochの最近のもの、だそうです。子どものころ読んだ外国の絵本を思い出させるような魚と波の絵柄が、懐かしい気分になります。日本ぽくない挿絵は、異国への憧れを感じさせてくれてたなあと、思い出しました。