第69話 一升びんのヘビ
私の父は、頭にランプをつけ、銛を持って、よく夜釣りに行った。大抵は、魚やカニや海老、貝などを、食べるために獲ってくるのだが、まれに、ヘビを獲りに行くときもあった。つかまえてきたヘビは、火ばさみで、あたまをパチンと挟んで...
私の父は、頭にランプをつけ、銛を持って、よく夜釣りに行った。大抵は、魚やカニや海老、貝などを、食べるために獲ってくるのだが、まれに、ヘビを獲りに行くときもあった。つかまえてきたヘビは、火ばさみで、あたまをパチンと挟んで...
60年以上も前のおはなしです。 東京品川でも山の手の住宅地です。道路がまだ舗装されていなかった時代です。東京でもまだ多くの家は汲み取り式のトイレでした。その為、各家の汚物(尿便は)、桶に汲みとられて、その桶は、大きな馬が...
父が、シマリスをつかまえてきました。父の仕事は、木の質を調べることだったので、そこで、見つけたのでしょう。大きなゲージも買って、私は、ものすごくかわいがっていました。触ることは禁止されていたので、家にいる間じゅう、ずーっ...
イワシのこんか漬け、というものがある。おふくろが、よく作っていた。春、たくさんのイワシを買ってきて、臓物をきれいに取り、塩漬けにし、そのあと、ぬか漬けにし、発酵させる。 食べ物が少なくなる冬になると、秋に収穫した根菜を(...
イワシが獲れる暑い夏の季節、僕がまだ寝ている朝、おふくろは、歩いて20分ほどの港に行って、漁師の手伝いをする。駄賃代わりに魚を分けてもらうと、家に持ち帰って、身を開き、臓物をとって、塩をかけ、畳半分ほどの、蚕をのせるため...
冬のうっすらと雪が降り積もった小山を、僕らは、一斉に大声を上げて、よじ登っていきます。一方、山の頂上では、網を張った人が待っています。逃げ込んできた野ウサギを、押さえるためです。 これは、中学時代の学校行事の一つです。こ...
ヒゴで小さい輪っかを作り、竹竿の先にくくりつける。これを、でっかいクモの巣につっこんで、ぐるぐる回し、綿あめみたいに、クモの糸を巻きつける。それを使って、木にとまっているセミを、ぺたりとくっつけて、とる。クモの糸は、柔ら...
近所の竹やぶからとってきた長い竹の葉っぱを落として、手作りの竹竿を作る。その竹竿の先っぽに、買ってきたとりもちを、べったりつける。それを、裏の山まで持っていって、高い木にとまっているセミを、ひょいとくっつけてとる。とりも...